山本隆三の快刀乱麻

蜜月だったトヨタ、テスラ競合に (3/4ページ)

 テスラの発表によると、ギガ・ファクトリーは18年半ばの時点で、セル年産2000万キロワット時レベルに到達した。テスラのBEV「モデル3」用の電池に加え、家庭用、事業用の蓄電池生産も行っている。

 そのテスラは16年、太陽光パネル製造・販売会社ソーラーシティを買収し、翌17年にはセル、パネル、蓄電池製造を行うギガ・ファクトリー2(米ニューヨーク州バファロー)が操業を開始した。フル生産時には、年産200万キロワット時に達する予定だ。

 さらにテスラは、中国で「モデル3」と新型の小型クロス・オーバー「モデルY」の生産を行うギガ・ファクトリー3の建設を計画している。上海市の応勇市長は昨年12月、ギガ・ファクトリー3が19年後半に生産開始予定であることを明らかにした。

 この発表に先立ちマスクCEOはツイッターで、「長期的には、現地生産用は現地で調達するのがコスト面で極めて重要。中国のギガ・ファクトリー用セルは、需要をタイムリーに満たすためパナソニックを含め5、6社から調達する公算が大」とつぶやいた。

 今年1月22日のロイター通信は、テスラが天津力神電池とセル供給の覚書を締結したと伝えた。テスラは「同社から見積もりを入手しているが、それ以上の進展はない」とコメントしているが、中国ではパナソニックとの関係が希薄化することになりそうだ。

 ◆パナソニックとトヨタ

 EV市場は18年、大きく拡大した。世界販売台数は前年からほぼ倍増の200万台を超え、うち約110万台は中国市場での販売とみられるが、詳細な数字はまだ発表されていない。一方、世界2位の米国市場の数字は既に公表されている。車種別では、テスラのモデル3が14万台弱でトップとなり、2位プリウスPHVが約2万8000台。トヨタのシェアは7.6%にすぎない。

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