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全固体電池の実用化、目前に TDKと日立造船、今年から本格量産 「安全で大容量化」容易に (3/3ページ)

 全固体電池は、トヨタ自動車が17年10月の東京モーターショーで、20年代前半の商品化を目指すと発表したのをきっかけに広く認知されるようになった。同社は30年までに車載電池の開発・生産で1兆5000億円を投じる方針で、現在は東京工業大学などと開発中だ。昨年12月にはパナソニックと開発や生産で提携を検討すると発表したが、対象には全固体電池も含まれる。

 全固体電池の普及には、最適な材料の探索を含め技術的課題がまだまだあるほか、リチウムイオン電池と同様、電極材料となる希少金属(レアメタル)の確保も課題。米国のベンチャーから電池分野で台頭著しい中国勢まで世界規模で開発競争が過熱する中、素材などで最先端技術を持つとはいえ、日本が主導権を維持できるかも予断を許さない状況だ。それでも富士経済によると、17年に21億円だった全固体電池の市場は、35年に2兆7877億円まで拡大する見通し。この超有望市場で生き残れるかは、今後数年間の取り組みが鍵を握りそうだ。(井田通人)

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