東京商工リサーチ特別レポート

ガソリンスタンドが半減 倒産・休業も多発…深刻な「過疎地」問題 (3/4ページ)

東京商工リサーチ

深刻さ増す「GS過疎地」問題

 ガソリンスタンドの減少に歯止めがかからないなか、最近は「ガソリンスタンド過疎地」問題が全国的な課題としてクローズアップされている。生活圏内のガソリンスタンドが減ると、自家用車や農林業用車両への給油だけでなく、寒冷地では生活必需品の灯油供給などの移動手段を持たない高齢者への対応が後手に回り、地方を中心に生活基盤を脅かされる状況が発生している。

 資源エネルギー庁は、「ガソリンスタンド過疎地」(正式には「サービスステーション過疎地」)を市町村内のガソリンスタンド数が3カ所以下の自治体としている。

 2017年度末での、「ガソリンスタンド過疎地」は、全国で312市町村にのぼる。また、同庁が実施したガソリンスタンド過疎地等に位置する事業者の今後の事業継続意志についてのアンケート調査(2016年)では、「継続する」が72%を占めた一方、「未定」が19%、「廃業を考えている」が9%にのぼった。

 地方ではガソリンスタンドの減少で、消費者の利便性だけでなく、天災を含めた災害時に地域住民への燃料供給が極めて不安定化するなど、深刻な事態を招くことが懸念されている。

自動車離れ、高齢化…地方経済にも影

 ガソリンスタンド減少の背景には、少子高齢化、自動車離れだけでなく、地方経済の低迷も影を落としている。停滞する地方から、交通機関が整備されて乗用車保有率の低い都市部に人口が集中し、ますますガソリンの需要低下に拍車がかかっている。

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