その効果のおかげかは分からないが、走りはなかなか上品な印象を受けた。試乗車は2リッター直4エンジン(107kW〈146PS〉/188Nm〈19.2kgfm〉)とモーター(80kW〈109PS〉/202Nm〈20.6kgfm〉)を組み合わせたFF(前輪駆動)のHVで、アクセル操作に対するレスポンスは穏やかで滑らか。エンジン音の静粛性が高く風切り音も(本当に)皆無のため、むしろロードノイズが目立ってしまったほどだ。ノイズについては、パンクしてもしばらくは走行可能なランフラットタイヤ(225/50RF18)を履いていることが影響していることもあるだろう。
CVT(無段変速機)ということもあってかアクセルを踏み込んだ時のレスポンスや瞬発力には物足りなさもあるが、UXのキャラクターや用途を考えれば圧倒的な動力も絞り上げた足回りも不要。走行モードを「スポーツ+」にした時の反力の高まったハンドリングには“落ち着きのなさ”も感じたが、これも普段使いなら「ノーマル」もしくは「エコモード」で十分だ。感動するような乗り心地というわけではないし、FF+ランフラットタイヤの組み合わせは操舵時にフロント部の重さも感じたが、はっきり言って日常のドライブには特段影響がないし、毎日のドライブが快適で気持ちの良い時間が過ごせれば十分なのだ。
兄貴分のLX、RX、NXは走りも体躯もダイナミックだが、街中を駆け抜けるうえでUXの取り回しの良いコンパクトさと、穏やかでスムーズな走り味は非常に魅力的だ。しかもキャビンは広くて快適。シートが合っていたのかヘルニアを抱える腰が痛むこともなかった。いざという時のためにロードクリアランスも確保している。
日常の相棒として、開放的で見晴らしのいいドライバーズシートに収まり都会を優雅に走る-。恐らく多くの人のライフスタイルに合致するクルマであり、レクサスからコンパクトSUVの登場を待っていた人にとっては待望の一台だろう。ガソリンモデルなら390万円スタートという価格も手が届きやすい。3月29日時点で「納期6カ月」という事実がニーズの高さを物語っている。
《ヒトコト言わせて!》
レクサス広報部「UXのコンセプトは『Creative Urban Explorer』(CUE)です。このクルマが生活の変化を期待する人の背中を押し、豊かなライフスタイルを送る『きっかけ』になってほしいという思いを込めています。開発では、年齢や性別といった枠を意識せず、まずはお客様にとって毎日のパートナーとなり得る適切なパッケージを追求したので、皆様の移動の時間を上質に彩る一台としてお乗りいただけたらと考えております」
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【乗るログ】(※旧「試乗インプレ」)は、編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する連載コラムです。更新は原則隔週土曜日。▼アーカイブはこちらから
■主なスペック(UX250h バージョンL)
全長×全幅×全高:4495×1840×1540ミリ
ホイールベース:2640ミリ
車両重量:1580キロ
エンジン:直列4気筒
総排気量:2.0リットル
最高出力:107kW(146ps)/6000rpm
最大トルク:188Nm(19.2kgm)/4400rpm
モーター:80kW〈109PS〉/202Nm〈20.6kgm〉
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
タイヤサイズ:225/50RF18
定員:5名
燃料タンク容量:43リットル
燃料消費率(JC08モード):27.0キロ/リットル
ステアリング:右
車両本体価格:509万円