【論風】米、ファーウェイ問題の教訓 日本の技術安全保障の危機 (1/3ページ)

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 昨年12月、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長がカナダで逮捕された。米国は安全保障上のリスクがあるとして日本を含む同盟国に中国の華為や同業のZTEを通信システムから排除するよう要請した。日本政府は国名や企業名を出していないが、通信システムの安全保障リスクを低減するよう関連企業に要請した。(知財評論家、元特許庁長官・荒井寿光)

 これを受けソフトバンクは、華為から北欧のエリクソンやノキアに切り替えると報じられている。転換先が日本企業でないことに驚いた。かつて日本企業は世界トップの通信技術を誇っていたが、次世代通信「5G」に単独で対応できる通信機器やスマートフォンメーカーがなくなった。半導体メーカーも人工知能(AI)に必要なソフトウエア企業も国際競争に負けている。

 技術空洞化の原因

 なぜ日本は技術的にかくも弱くなったのだろうか。第1の理由は、「技術コモディティー(商品)」論だ。技術は通常のコモディティーであり、いつでも金を出せば買え、安全保障の理由で国際取引が制限されることがないと考え、自主技術開発をやめた。

 第2は、グローバル化だ。世界貿易機関(WTO)が発足し、世界のグローバル化は進み、モノも技術も国境を越えて自由に取引されると考えた。

 第3は、日本企業の選択と集中だ。結果として既存技術を選択し、リスクのある将来技術の開発や新分野への挑戦を選択しなかった。

 これらの結果、日本企業は海外投資を進め、国内の工場や研究所を閉鎖・縮小し、リストラにより技術者が海外に流出し、国内の技術が空洞化した。

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