しかし、今や再び技術が国家の安全保障の根幹をなすという「技術安全保障」の時代がやってきた。米国では、中国が米国のハイテク技術を盗み、強制移転させているとして中国脅威論が強くなっている。国防権限法では、華為、ZTEなど中国5社からの購入を禁止し、同盟国にも同調するよう求めている。米国は先端技術の国外流出規制を強化している。米国と中国の技術や経済を引き離し、中国封じ込めの経済ブロックを作ろうという議論も出ている。一方、中国は国内での自主技術開発を強力に進めている。ハイテク技術が自由に国際取引される時代は終わった。
このような国際環境の変化と急速な技術革新に対応するため、日本はもう一度自主技術開発に取り組まなければならない。自主技術を持って始めて国際共同ビジネスや国際標準を進めることができる。
自主技術開発に回帰を
第1に自主技術を作ること。情報通信、半導体、AI、ビッグデータ、バイオなど次世代技術分野の開発戦略を作る。その実現のため、大学、研究機関、民間の共同開発体制を作る。国の研究開発費を先端分野に集中投与する。税制措置により内部留保を活用して企業の国内技術開発を進める。優秀な研究者をハイテク分野にシフトする。
第2に自主技術を育てること。国のプロジェクトや自動運転開発などにより社会で実装することを支援する。企業の実用化を税制上優遇する。政府系のファンドは、資金の運用ではなく国内の自主技術の実用化に集中投資してベンチャー企業の振興を図る。