高論卓説

通商合意急がず…中国の弱点見抜いた米 交渉は長期化覚悟 (1/3ページ)

田巻一彦

 米中通商交渉の早期合意観測が市場に根強く存在するが、「根っこ」に米中覇権争いの構図があるだけに、長期化を覚悟すべきだ。それを裏付けるようにトランプ米大統領が15日、国家安全保障上のリスクをもたらす企業の通信機器の米国内使用禁止を定めた大統領令に署名した。合わせて中国華為技術(ファーウェイ)が、米政府の許可なく、米国の重要な技術を購入することを禁止。ファーウェイは多くの製品販売の継続が難しくなる可能性がある。

 米国は、半導体内製率が20%という中国の「アキレス腱(けん)」を意識し、半導体や同製造装置の輸出制限をさらに広げる可能性があり、その場合は、中国のIT関連産業に大きな影響が出かねない。   

 トランプ大統領は昨年8月、ファーウェイと中興通訊(ZTE)との米政府の取引を制限する法案に署名。米連邦通信委員会(FCC)は今月9日、中国の通信最大手、中国移動通信(チャイナ・モバイル)による米国市場参入を全会一致で拒否していた。

 21世紀の経済、軍事、社会構造を形成しているのは、人工知能(AI)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などを駆使したデジタル・システムだ。その死命を握っているのは通信速度と情報量であり、高速大容量の5G(第5世代)移動通信システムは血管とも言える。

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