高論卓説

通商合意急がず…中国の弱点見抜いた米 交渉は長期化覚悟 (3/3ページ)

田巻一彦

 米国からの半導体輸出が全面的にストップしたり、同盟国である日本などに同様の対応を求めてきた場合、中国経済の受ける打撃はかなりの規模になる可能性があるだけでなく、世界経済にも予想外のインパクトが出てくることになりかねない。

 また、2018年に米国が対中関税を10%に引き上げた際、中国経済への影響は軽微と多くのエコノミストが予想していたが、その後景気のスローダウンが表面化。背景には、過剰債務の下で、需要減少に対し、許容度が低下していた可能性がある。

 直近の中国の4月鉱工業生産や4月小売売上高は市場の予想を下回って、伸びが鈍化した。米中の戦略対立は、さらに厳しさを増す可能性があり、通商交渉だけが短期間に決着するという期待感は、急速に後退している。

【プロフィル】田巻一彦

 たまき・かずひこ ロイターニュースエディター。慶大卒。毎日新聞経済部を経てロイター副編集長、コラムニストからニュースエディター。東京都出身。

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