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アサヒ、ビール首位も吹く逆風 飲食店消費が過半のスーパードライじり貧に (3/3ページ)

 アサヒは2017年、発売30周年のスーパードライで販売促進を強化。だが、目標とした16年の販売実績1億ケース(大瓶20本換算)並みには届かず、18年は保守的に立てたマイナス目標も未達で、想定以上の低迷で終わった。ビールシェアで昨年48.6%と首位を確保したものの、アサヒの塩沢氏が、主力商品のさらなる落ち込みに危機感を募らせる理由はここにある。

 一方、キリンの布施孝之社長は、大手ビール会社でつくるビール酒造組合などが今年からビール類の課税出荷量の発表をやめたことや、来年から26年まで段階的にビール類の酒税が一本化されることを契機に「目先の量での勝負からは決別する」として、「一番搾り」ブランドを長期的に強化していく姿勢だ。

 改元の祝賀ムードからの「乾杯需要」で4月下旬からの10連休のビール販売は好調で、サントリービールの「ザ・プレミアム・モルツ」、サッポロビールの「黒ラベル」「エビスビール」もその恩恵を受けた。この勢いを夏につなげようと、サントリーは缶に付けてきめ細やかな泡を作る機器のセット販売を強化するほか、サッポロは地方8都市での黒ラベル体験イベントを通じて食卓での地位確保を狙う。(日野稚子)

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