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ユニクロはいかにして中国で勝ったのか? 「20年の粘り腰」に見る強さの源泉 (1/4ページ)

 米国に次ぐ世界第二の経済体となった中国。図体の大きさだけではなく、画期的なイノベーションを生み出すなど、創造力の面でも今や世界をリードする存在だ。10年前は「遅れた途上国」だった中国が、なぜ瞬く間に「S級国家」へと変貌したのか。長年中国と関わり続けている気鋭の論者に、社会、政治、技術の各方面から分析してもらった。(本記事は、書籍『中国S級B級論--発展途上と最先端が混在する国(編著・高口康太、さくら舎)』の中から一部抜粋し、転載したものです)

 中華風巨大おにぎり、激辛おでんも誕生

 中国のコンビニが急成長をはじめたのは2000年代半ば。その頃から北京や上海などの大都市では、都市部のホワイトカラーを中心に中間層が厚みを持ってきた。郊外にマンションを買って地下鉄で職場に通い、マイカーを持つ層である。通勤距離が延びて家庭で料理をする時間がとりにくくなり、中食や冷凍食品、レトルト食品などのニーズが出てきた。

 一方、都心部のオフィスでは、ランチとしての弁当やサンドイッチ、中華系ファストフード類などの需要が生まれた。こうした生活パターンはコンビニと波長が合う。

 商品開発や接客、サービスは中国風のアレンジを積極的におこなっている。弁当やおにぎり、サンドイッチ、おでんといった品目自体は日本でもおなじみだが、味つけや量などは中国流。中華風のたっぷりの具入りで、電子レンジで加熱して食べる巨大なおにぎりとか、炒めもの中心の弁当、カレー味や激辛のおでんなどは現地の発想から生まれたものである。一部の店では店頭であたたかい豆乳を売っているのも中国らしい。

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