圧倒的にコスパの高いユニクロの服
中国国内で売られているユニクロ商品の価格は、例えばヒートテックの長袖が149元(約2400円)、ウルトラライトダウンのジャケットが399元(約6400円)など、おおむね日本国内より20~30%ほど高い。中国の増値税(日本の消費税のようなもの、全て内税)が17%あるなどの理由でそうなるのだが、値段からみれば決して低価格ではない。
中国には激安のB級衣料品はたくさんある。しかしその手の商品を買ってみると分かるが、とにかく品質がひどい。生地はペラペラ、襟が最初からゆがんでいる、あっという間にボタンが取れる、ボタンホールに穴が開いていない、縫製は曲がり放題、包装の中は糸くずだらけ、一度洗濯したらベロンベロンになってもう着られない……といった話がいくらでもある。もちろんそうでない製品もあるが、そういう商品は中国でもあまり安くない。
そういう状況のなか、ユニクロは低価格帯の商品よりは高いが、圧倒的に品質がよいというポジションを確立し、2000年代後半から急成長した都市のホワイトカラー層の強い支持を得た。要するに、圧倒的にコスパが高い。「おしゃれは求めないが、“まともな”ものを着たい」。そういう普通の人々のニーズに合致したのである。
それを可能にしたのが、中国のパートナー工場と1990年代から時間をかけて構築してきた生産体制だ。通常、アパレルブランドが中国の工場に発注する際は、複数の工場に見積もりを出させ、そのつど、もっとも安い工場に作らせるのが普通だ。
しかしユニクロは違う。特定のパートナーと長期間の関係を結び、できる限り高品質な服を、可能な限り低い価格で、圧倒的に速く、大量に作るかに時間をかけて取り組む。