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FCAとルノーの統合案「破局」 セレブ会長2人の行方、カギ握る日産 (2/3ページ)

 対照的にエルカン、スナール両会長は生まれ育ちが似て、ウマがあったらしい。スナール氏は旧伯爵家出身で、父は外交官。美しい白髪で物腰柔らかく、エリートの典型だ。仏老舗のタイヤ大手ミシュランでCEOを長年務め、創業家を支える番頭としての心得もある。「50対50」の対等統合案は伊トリノのエルカン氏の豪邸、スナール氏の南仏の城を往復し、2人で極秘に練り上げたという。

 ルノーの販売台数は390万で、4分の3近くが欧州、ロシア、中東市場。FCAは480万で、北米市場が主だからすみ分けができ、釣り合いも良かった。ルノーと連合を組む日産自動車、三菱自動車が加われば販売台数1500万超の巨大自動車連合になる。エルカン会長、スナールCEOのコンビで、新会社が発進するはずだった。

 5日のルノー取締役会は、本格交渉への最後の関門だった。FCAは仏政府からの「工場は閉めるな」「政府の取締役を受け入れよ」という注文を大枠で受け入れた。いよいよ採決という寸前、政府は「日産自動車からOKが出ない」という理由で採決延期を要求。エルカン氏は即刻破談を伝え、「フランスは計画を進める政治状況にない」となじった。

 6日、FCA社員に送ったメッセージでは「交渉が迅速に進まなければ、決然と終わらせ、仕事に戻るべき」だと訴えた。決断の早さはマルキオンネ氏仕込みだろう。昨年、同氏の葬儀で「変化を恐れない勇気を学んだ」と語っていた。

 スナール氏は政府の意向に従い、取締役会で強行採決を避けた。採決延期を発表する声明に「仏政府の要望で決定できなかった」と書いたところに、無念さがにじむ。1月の就任から半年で、日産に続きFCAと、2つの経営統合案の破綻という苦い経験をした。

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