フジテレビ商品研究所 これは優れモノ

複数言語にも対応、人手不足の救世主に セコム「バーチャル警備システム」 (3/4ページ)

 今年4月に発表した「バーチャル警備システム」もその一つ。AGC、ディー・エヌ・エー(DeNA)、NTTドコモと共同で開発した世界初の人工知能(AI)活用の警備・受け付け業務システムで、20年の発売を目指している。「人手不足時代の救世主となりうるシステムです」と沙魚川さんは自信をのぞかせた。

 ≪interview 担当者に聞く≫

 □セコム オープンイノベーション推進担当リーダー・沙魚川久史氏

 仮想的存在で自然なコミュニケーションを

 --開発の背景は

 日本は生産年齢人口が減り続け、深刻な人手不足に直面している。中でも警備業全体では有効求人倍率が約9倍に達している。一方で、オフィスビルや大型施設などでの警備需要は伸び続けている。当社が培ってきた「オンライン・セキュリティシステム」だけではなく、多くの来訪者が行き交う有人施設の警備においては人による案内などの顧客対応が求められる。そこで今回開発したのが、世界初の人工知能(AI)を搭載したバーチャル警備員が有人施設の監視・受け付け業務を行うというものだ。

 --具体的にはどういうものか

 高反射率のミラーディスプレーに、等身大のバーチャル警備員の3D(三次元)キャラクターを表示する。この警備員は、人間と同じような所作をする。例えば、目の前に小さな子供がやってくれば、しゃがんで目線を合わせてあいさつをしたり、来訪者に敬礼し、用件を聞いたりもする。来訪者から話しかけられると、AIによって音声や顔や持ち物なども認識し、キャラクターが実際に語りかけるような合成音声で対応する。もちろん、急病人が発生したなどの緊急時には、施設内の人間がいる監視卓に通報し、常駐警備員が対応する。

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