極論的に言えば、プロ経営者は、従来の慣行などしがらみにとらわれない抜本的改革を断行できる強みを持ち、その結果に伴うリスクを引き受ける存在ということではないかと思う。高額な報酬はそのリスクの受託料のようなものだ。その限りにおいてプロ経営者は改革が終われば、早期に退任するのが筋だ。
企業は株主だけのものではない、ましてや経営者のものでもない。日本経済の父と言っていい渋沢栄一氏は著書「論語と算盤」の中で、「道徳経済合一」を唱え、企業の利益(富)は全体で共有するものとして社会に還元することを説いた。株主総会を前に肝に銘ずるべき言葉だ。
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【プロフィル】森岡英樹
もりおか・ひでき ジャーナリスト。早大卒。経済紙記者、米国のコンサルタント会社アドバイザー、埼玉県芸術文化振興財団常務理事を経て2004年に独立。福岡県出身。