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退任前のNAA夏目社長「7年間は長かった」 本紙単独インタビュー (2/3ページ)

 --リテール事業にも力を注いだ

 LCCなど航空機の小型化、軽量化が進む中で、重量による着陸料などの航空系収入に依存していては、経営の安定、健全化が損なわれかねないことから、就任以降、非航空収入であるリテール事業についても力を入れてきた。

 象徴的なこととしては、第1旅客ターミナル中央部の施設配置の見直し、改修を行うことにより、2400平方メートル、17店舗を新規開業した。

 私が就任した24年度は679億円だった空港内店舗売上高は、30年度に1432億円と2・1倍に増え、航空系と非航空系収入の割合も24年度の53対47から30年度は42対58へと大きく変わり、経営基盤の強化につながった。

 --鉄道から空の世界への転身となり、戸惑ったことや苦労した点は

 英会話が大の苦手だったので、英語の世界で苦労をした。航空の世界はアルファベット3文字で表記する業界用語が多く、例えば税関・出入国管理・検疫の略称をCIQ、国土交通省航空局のことはCABという。就任当初、CABをキャブと読んだら、「それはタクシーのことになるので、航空局に対して使ってはいけない」と注意されたこともあった。

 全く経験のない世界に来たことから、知らないことばかりだったので、とにかく資料などを読むなどして勉強をした。分からなければ教えてもらうことにした。「社長だから」とポストを気にせず、分からなければ教えてもらうという謙虚な姿勢で臨むことが大事だと思った。

 前の会社でも「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と社員に言ってきた。知らないこと、分からないことを隠したり、知ったかぶりをすることが一番いけないと思っている。私も何も知らなかったので、そういう姿勢で臨んできた。とにかく学ぶことの重要性は、ことあるごとに当社の社員にも訴えている。

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