--更なる機能強化が進められる中、今後の成田空港の成長に求められるものは
航空、空港の世界は厳しい競争市場で、変化が大きく、そして激しい。こうした中、時代や環境の変化に迅速、柔軟に対応していくことで、アジアの主要空港に負けないよう競争力を強化していくことが最も大事だ。
空港競争力の源泉の一つが航空ネットワークにあることから、現在、海外119都市に就航するネットワークをさらに拡大し、利便性や使い勝手を高めていくこと。そして成田空港の強みである、成長するアジアと北米の結節点としての機能をさらに高めるため、乗り継ぎ機能の強化に注力していくこと。さらに、まだまだ伸びしろが大きいLCCの成長を支援し、アジア、中国とのネットワークを充実していくこと。これらが成田空港が成長するに当たって大事なことだ。
--社長退任後は、相談役に就く。空港会社や地域との今後の関わり方は
これまで成田空港の経営課題の解決に取り組んできた中で、特に更なる機能強化に当たっては周辺自治体や関係者、地域住民からさまざまな心配の声や要望をいただいた。
大事なことは国と県、周辺自治体で構成する4者協議会の確認事項として整理されているが、確認事項の意味や議論の経過などをまとめた当事者、責任者として必要なときにはきちんと対応していきたい。
(聞き手 城之内和義)
【プロフィル】
なつめ・まこと 昭和22年8月生まれ。46年、東大法学部卒。日本国有鉄道に入り、国鉄分割民営化に伴い62年、JR東日本総務課長に就任。平成15年、同社副社長。17年、東日本キヨスク(現JR東日本リテールネット)社長を経て、24年にNAA社長に就任。