とはいえ、イノベーションは待っていても向こうからやってくるわけではありません。今回のG20で日本は、「Research and Development 20 for clean energy technologies (RD20)」という国際会議を設立することを提案して、各国の賛同を得ました。これは、G20各国の主要な研究開発機関の国際連携を促進することを目的として設置されるものです。それぞれの研究開発機関ができることには限りがあっても、それが連携すれば大きな成果が手に入るかもしれません。研究開発は競争力の源泉でもあり、連携を口にするのは容易ですが実体を伴うのはハードルが高いのです。そのなかで、具体的な会議体の設置を提案し、それが承認された意義は大きかったといえるでしょう。日本政府は2014年から「Innovation for cool earth forum(ICEF)」という国際会議を毎年ホストし、気候変動対策に寄与するイノベーションに関わる研究者たちの連携をサポートしてきました。このRD20によって、これまで個人の研究者同士の連携にとどまっていたものが、さらに発展して研究機関同士の連携に拡大すると期待されています。RD20に加えて、「軽井沢イノベーションアクションプラン」を策定して、各国がすべき行動についても取りまとめました。