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難培養アーキアの分離培養に成功/「エネルギーがゼロ」の束縛状態を観測 (1/3ページ)

 理化学研究所 バイオリソース研究センター 微生物材料開発室 開発研究員・加藤真悟

 難培養アーキア(古細菌)の分離培養に成功

 自然界には数百万種以上の微生物が存在すると推定されているが、その大半は培養できていないため、機能解析が進んでおらず、「微生物ダークマター」と呼ばれている。また、50℃を超える高温の温泉環境には、真核生物でもバクテリア(細菌)でもない「第三の生物」ともいえるアーキア(古細菌)が数多く生息している。これらの多くもまだ培養できておらず、その生理機能は不明であり、生態系の中での役割もよく分かっていない。

 今回、理研を中心とした共同研究グループは、微生物ダークマターの一部である難培養アーキアを、栃木県内の温泉地(57℃、pH2.2)から分離培養することに成功し、Conexivisphaera calidus(C. calidus)と名付けた。全ゲノム解析の結果、C. calidusはタウムアーキオータ(Thaumarchaeota)門と呼ばれる分類群に属し、同門の中でも進化的に早く分岐した系統であることが分かった。また、詳しい性状解析の結果、C. calidusはタンパク質や脂質をエネルギー源および炭素源として食べて生育し、さらには鉄や硫黄を還元する好熱好酸性の微生物であることが明らかになった。

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