好調な要因は、市場環境の変化だ。18年は政府による働き方改革の推進が追い風となり、さまざまな業界・職種におけるRPAの導入事例が、イベント・セミナーなどで取り上げられた。矢野経済研究所によると、大手や中堅企業の多くが何らかの領域でRPAを導入する可能性が高いと分析しており、22年度の国内RPA市場規模(売上高)は、17年度比約4.5倍の802億7000万円と予測する。
地方自治体をめぐっては、千葉県が実証実験を行っているほか、松山市が全国初となるRPA導入補助金を開始し、NTTデータや地域金融機関と協力してRPAのセミナーを8月に開催するなど、関心が高まっている。NTTデータは、RPAのさらなる普及に向け、地方自治体や中小企業への営業戦略を強化することにした。
具体的には、RPAを人工知能(AI)と連携させ、高度な業務に対応できるサービスだ。
その一つが、AIと連携したOCR(光学的文字認識)の技術。従来のOCRは、枠内にある手書き文字しか判読できなかったが、新技術「AI-OCR」では文字枠のない文章や、漢字、カタカナ、数字などの混在した文章も判読できる。タブレット端末のカメラで撮影した、ゆがんだ画像の文字も正確に認識できる。
10月からは、自治体などが利用する総合行政ネットワークを通じて、この新技術を本格的に採用する。紙の手書き申請書類をスキャンして画像ファイルにしたものを、AI-OCRを使ってテキスト形式のファイルに変換し、ネットワークを通じて自治体に返却する。自治体内で新たにシステムを立ち上げることがなく、パソコンの手打ち作業がなくなるため、作業の大幅な削減が期待できる。
また、数十の金融機関と代理店契約を結び、人材不足などに悩む中小企業にWinActorの活用を提案する仕組みも進める。
ただ、RPA市場の急激な拡大に伴い、導入先企業の過度な期待感から失望されてしまうケースも見受けられる。