リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

パソナグループ(2-2)農業で食の危機訴え (1/4ページ)

 --人材派遣でスタートしたが、今の注力分野は

 「スポットを当てている事業の一つが農業・酪農だ。2017年に東京のど真ん中に牛やヤギ、アルパカなどがいる『パソナ大手町牧場』をオープンした。趣味では決してない。『酪農は365日休みなしのため、従事者が10年で半分になった』と聞かされた。遺伝子組み換え作物を飼料にした肉や卵の問題もあり、国民の知らないまま食の問題が待ったなしのところまで来ている。食品添加物も世界の中で異常に多いのが日本だ」

 「豊富な水、春夏秋冬の自然がもたらす旬の農産物。日本食は健康食と世界的にブームになっている。しかも日本人は長寿だ。しかし健康寿命との開きが大きいのはなぜか。人間の身体は食べ物からできており、身体にいいものを食べないと健康にかかわる。にもかかわらず日本人は食に対する関心が薄い。食の危機を訴えるため農業に目を向けた。無農薬で安全・安心なものを生産する農業従事者を増やしたい。パソナは社会問題の解決が企業理念だ。それを実践する」

 --地方創生については

 「現在の日本が抱える最大の課題が東京一極集中であり、そのために地方は廃れていく。だから地方創生が大事だ。パソナは、多様な才能を持った人材が集まって地域産業を活性化させる『人材誘致』による新たな雇用創出に挑戦している。企業誘致ではなく、人を誘致して産業を興し雇用をつくる。中央官庁や地方自治体から委託を受け、全国で観光振興やICT(情報通信技術)を活用した街おこしに取り組んでいるほか、地方への人材誘致や人材育成にも力を注いでいる」

 「兵庫県淡路島では08年に農業の活性化を目指し、独立就農を支援する『パソナチャレンジファーム』を皮切りに人材誘致による地方創生事業をスタートした。島で産業を興して雇用するプロジェクトで、カフェやレストランの運営を通して新たな食文化の提案や、遊休資産を活用した観光施設の運営などに挑んでいる。私も毎週のように淡路島に行って新たな企画を考えたり、畑仕事などに汗を流したりしている」

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