--リブラは広がるか
「それほど簡単ではない。27億人のユーザーがいるといっても規制をクリアするのに不可欠な本人確認はできておらず、一人一人をチェックしていくのは大変だ。銀行口座を持っていないような新興国の人にとってはリブラを買うことも容易ではないだろう」
--やれることは
「例えば(運営団体の)リブラ協会には、配車大手ウーバー・テクノロジーズなども入っている。恐らく、こうしたサービスを使う際、今はクレジットカードで支払っているが、リブラで支払えばお得になるといったサービスは出てくるだろう。また、フェイスブックに載せる広告の支払いはリブラでしか受け付けなくすれば、使い始める企業も増えるのではないか」
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くすのき・まさのり 昭和52年、熊本県生まれ。神奈川大卒。マイクロソフト、ヤフーなどを経て、平成29年10月から現職。日本仮想通貨交換業協会理事、東大院非常勤講師なども務める。
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岩下氏「普及へハードル高い」
--リブラについて、どう見ているか
「価値を安定させ、安価な決済サービスをアフリカなど新興国に提供するというのが彼らが掲げる目標だ。確かに世界には銀行口座を持っていない人がたくさんいるのは事実で、こうした問題を解決しようという面白い試みだが、新しい決済手段として普及させるハードルは相当高いと言わざるを得ない」
--何が難しいのか
「決済に使うには価格を安定させる必要がある。ビットコインは、価格の乱高下が激しく決済手段としては使われなかった。これに対し、リブラは法定通貨などを裏付け資産としてリブラ協会が保有し、価格を安定させるとしている。ただ、価格は市場が決めるともしており、実際に価格を安定させられるかは未知数だ。リブラが値上がりすると考える人が多ければそれだけ価格は上がってしまう。裏付け資産があるため、その価値よりは下回らないという下限がある点でビットコインとは異なるが、値上がりは止められないだろう。もちろん、リブラ協会がリブラを大量に売却して価格を強制的に引き下げることも可能だが、それだとリブラを支持して買った人を損させてしまうことになる」