日本の議論

リブラは世界を変えるか 「国際送金など課題」「普及にハードル」 (3/4ページ)

 --価格が維持できたとしたら

 「そうなると次は、どうやって広めるかという問題に突き当たる。法定通貨と同じ価値しか持たないならば、あえて信用の低いリブラと交換して使う理由はない。ビットコインは価格高騰を期待した人たちが買うことで広がったが、リブラも普及させるには同じような力が必要だ。価格を維持しないと決済に使われないが、広めるには価格上昇が不可欠。リブラは相反する2つのことを同時に追い求めているように見える」

 --各国の規制当局はリブラが持つリスクを警戒している

 「みんなが使いたい便利なものは、犯罪者にとっても便利なものになる。いま世界では麻薬や武器の取引、脱税、テロリストの資金調達などができないよう、銀行などの規制を強化している。同じような対応をフェイスブックが果たしてできるのか疑問だ」

 --新興国などでは、有益なのではないか

 「新興国でも一部の国では自国通貨を使った電子決済のイノベーション(技術革新)が既に起きている。例えば、ケニアでは『エムペサ』という電子決済サービスが普及し、銀行口座を持つ人がこの10年で4割から8割へと倍増した。リブラでなくとも、こうした形で金融サービスを届けることは可能だ」

 いわした・なおゆき 昭和37年、栃木県生まれ。慶大卒。日本銀行でFinTechセンターの初代センター長を務め、平成29年4月から現職。金融庁参与も兼務する。

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