終活の経済学

お寺のトリセツ(2)古くから教育・文化の発信基地 (2/4ページ)

 教室3 写経

 坐禅会と同様、仏教体験の一つとして多くの寺院で開催されている写経教室。青森県八戸市の真言宗豊山派普賢院では、2カ月に1度、2時間ほど「般若心経」の写経会を開いている。

 「初めにお経の意味を伝える法話をして、参加者と一緒に読経をする。写経に入る前に、みんなで数息観(気持ちを整えるための深呼吸)をして、書き始める。参加者は毎回20人ほど。檀家さん以外の方ばかりで、女性の参加者が圧倒的に多い。写経のあとには、フェアトレードのコーヒーをご用意して写経カフェも開いている。会費の一部はNGOに寄付し、そこで自利利他の心も学んでもらいたいと思う」(品田泰峻副住職)

 写経教室は、坐禅をしない宗派の寺でも開かれているので、開催寺院を見つけやすい。

 いくらパソコンやスマホが普及しようとも、美文字は大人のたしなみ。背筋を正し、墨をすって毛筆で難解なお経を写経すれば、自然と文字も上手く書けるようになる。また、宗派によって写経するお経が異なるので、色々なお寺を回ってお経をマスターするのもいい。

 教室4 法話会

 仏教の教えに一歩踏み込んで、気づきや学び、悩みを解決したいと思ったら法話会に参加してはどうだろう。法話会とは、僧侶が仏道の教えを説く講演会のようなもの。法話の内容はお話しするお坊さん次第。仏教の真髄を説くこともあるが、多くの場合、身近なエピソードを交えて仏教の教えを分かりやすく解説してくれる。

 毎月3日の法話会に50名以上の参加者が集うのが、千葉県柏市にある浄土真宗本願寺派の西方寺。

 「参加者は門徒中心ですが、誰でも参加できる。法話の内容は『阿弥陀如来の願い』をテーマに、講師の方に任せている。友人を誘って来る人も多い。必ず来てよかったと思ってもらえる法話会だ。そのために、講師陣は全国の同派の僧侶から厳選している」(西原祐治住職)

 西方寺では、法話会に際して新柏駅からマイクロバスを使った送迎もしている。また、不定期で、財務や相続、介護など専門家が講師となる「終活」に特化した会も開催中。

 仏の教えを直接お坊さんから聞ける機会は中々ない。日頃の疑問を聞いてみてもいい。各地の各宗派の寺院で定期的に開かれているので、気軽に訪れてみよう。

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