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削れない鉛筆削りで日本の「もったいない」発信 かすも楽しめる商品展開 (1/3ページ)

 カミソリのような切れ味だと評判の鉛筆削りを作る会社が、大阪府松原市にある。昭和8年創業の中島重久堂。ペンケースなどに入る「小型樹脂製鉛筆削り」を製造・販売する国内唯一のメーカーだ。鉛筆を回して生じる削りかすは、まるで鳥の羽や花びらが広がるかのよう。「削りかすは、ごみではない」。中島潤也社長(51)がそう語る真意は、意外なところにあった。(藤崎真生)

 MoMAで販売

 中島重久堂は小型樹脂製鉛筆削りを年間600万~700万個出荷。国内シェア8割を誇るだけでなく、出荷数の約10%は東南アジアや欧州などで販売されている。

 海外に目を向けたのは、鉛筆の国内需要が落ち込んできたためだ。日本鉛筆工業協同組合(東京)によると、鉛筆の生産量は昭和30~40年代に13億本を超える時期もあったが、昨年は約2億本に減少。シャープペンシルの普及や少子化などが背景にあるという。

 そうした中、中島重久堂は平成25年にフランス・パリで開催された国際雑貨展に鉛筆削りを出展。それ以来、徐々に反響が広がり、海外の展示会で実際に削ってみせると「削りかすの姿が美しい」と称賛されるようになった。

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