「ソリューションを提供しますというだけだと、生産者の思いや課題に入り込むことは難しい」と、NTTアグリテクノロジーの酒井大雅社長は指摘する。農業法人を立ち上げて自ら生産に乗り出すのは、実際の生産性向上や省力化の効果、投資対効果を生産者と同じ目線で検証し、磨き上げた上で提案しなければ生産者には響かないとみているからだ。
一方、ICTを活用した次世代施設園芸をめぐっては、農林水産省も拡大方針を掲げている。自治体は雇用や関連産業の創出、増加傾向にある農業法人も経営の規模拡大や経営安定化を図る上で期待を高めている。
もっとも、農業法人からは「ICTを導入するには機器だけではなく、施設の設計や労務・生産管理なども含めたトータルの提案がないと使いこなせないとの声が強い」と酒井氏は語る。
NTTアグリテクノロジーが次世代施設園芸の運営で取り組むのは、まさにこうしたトータルソリューションの提供だ。高度な環境制御で収穫量の向上や的確な収穫予測を行うことに加え、大規模な施設園芸を展開する際の作業計画の策定といった大規模施設の経営管理、さらには燃料コスト削減による経営安定化なども見据える。
酒井氏は「農業生産者の負担を最低限にして、経済循環を生むことを目指す」と強調する。特にエネルギー分野では、傘下にスマートエネルギー企業を抱えるNTTグループのノウハウを生かした展開を模索する。