近ごろ都に流行るもの

紅茶がカレーに合う理由 インフルエンザウイルスを無力化する働きも (1/2ページ)

 優雅なサロンからお手頃なペットボトルまで、空前の「紅茶ブーム」が来ている。華やかな香りの癒やし効果、インフルエンザ対策、タピオカミルクティー人気の影響など背景は重層的だが、これまでとの違いは「料理との相性の良さ」の発信だ。パスタやカレーとともにいただくと、目からウロコが落ちるようなマリアージュ。身近な紅茶が未知の食の扉を開いてくれる。

 JR東京駅前。「アフタヌーンティー・ティールーム」新丸ビル店で行われた紅茶のワークショップに参加した。平日夜の会社帰り。皇居を臨むゆったりしたサロンで、ティースペシャリストの平野裕子さんからおいしい紅茶のいれ方を習う。茶葉の量や蒸らし時間を丁寧に計ってお茶をいれつつ、次第に空腹を覚えてきたところにパスタが運ばれてきた。

 ベーコン、トマト、サツマイモなどの具だくさんな麺をほおばり、自分でいれた洋梨フレーバーのアッサム紅茶をすすった。芳醇(ほうじゅん)な香りとほのかな甘さが濃厚なパスタと融合し、後口はスッキリ。パスタにはワインと思い込んでいたが、紅茶もイケる! 

 「紅茶ポリフェノールが油脂を洗い流すので、こってりした料理に合うんです。紅茶の多彩な風味を知ると、いろいろな食べ合わせを試したいという意欲が高まってきます」と平野さん。

 最後にスイーツ盛り合わせをいただいて75分のワークショップが終了した。紅茶のお土産付きで3000円。毎回、定員6人が募集開始3分以内に埋まる人気で、参加者は遠方からも集まってくる。

 茨城県つくば市から訪れた事務職の女性(47)は2回目の参加。「セミナーで教えてもらったフルーツティーで意外な組み合わせを楽しんでいる。職場では茶こし付きのマグカップを愛用しています」。都内のメーカー勤務の女性(42)も、「会社の引出しには10種類以上の紅茶を常備。いらいらしたときにも紅茶の香りで落ち着けます」と話した。

 「ガツンと気合を入れるコーヒーに対して、仕事中でも癒されるのが紅茶の特性。今の働き方に合っているんでしょうね」と平野さん。

 「カレーに紅茶 まさかねぇ」…ゴクゴク「合う、合う~」

 リリー・フランキーさんのCMが印象的なペットボトル「午後の紅茶」も絶好調だ。発売から33年。今年1~8月期で過去最高の販売数量3462万ケースを達成。紅茶飲料トップシェアの座は盤石だ。カレーとの食べ合わせを提案する「おいしい無糖」タイプ(500ミリリットル、希望小売価格152円)はスーパーのカレーコーナーにも置かれ“ついで買い”を誘っている。

 「紅茶ポリフェノールが口の中に残ったカレーのスパイスをさっぱりリセット。一口一口がおいしく感じられます」と、キリンビバレッジの加藤麻里子ブランドマネジャー(34)。

 女性のイメージが強い紅茶のCMに“おじさん”のリリーさんを起用したのも意外だが、「行きつけの飲み屋さんで、午後の紅茶の『おいしい無糖割り』を作ってもらっているそうです」(加藤さん)という、愛飲者ならではの自然な演技で売り上げに貢献。

 無糖以外ではタピオカミルクティーの影響で、ペットボトルのミルクティーに自分でタピオカを入れて飲む様子をSNSにアップするユーザーも表れている。

 競合他社からも新商品が相次いだ今年1~8月期のぺット紅茶市場全体も、前年同期比115%(キリン調べ)に拡大した。

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