米国がもう一つ懸念しているのは、日本が機密技術を正しく保護できるかどうかという点だ。これは無人航空機(UAV)や戦闘機に使用されている米国の機密技術の中国による知的財産盗用も考慮したものだ。
スコッフ氏は「日本の機密情報取り扱い許可プロセスは米国ほど厳重ではない。米国式の個人対象の評価ではなく、主にその人物の職業に基づいている」と指摘する。
同氏はさらに、「日本には米国のような普遍的な身元調査システムや機密情報取り扱いプロセスが存在しない」と語る。
日本の思考プロセスは、ある人物がある職業に就いているなら、それに伴う機密の保護に関しては信頼に足ると見なされる、というものだ。スコッフ氏は「米国は『日本が最も機密度の高い米国の航空機技術の保護に関して注意が不十分なのではないか」との疑念を抱き、これらの技術を“ブラックボックス”に入れている可能性がある」と指摘する。
航空機はこうしたブラックボックスにパーツを入れているものが多く、米国のメンテナンスクルー以外による開封を避けるため、封止と不正開封防止措置が施されている。こうした措置のため他国は、同盟国でさえも、レーダー部品やセンサー部品などエンジニアリングパーツの置き換えができない。
スコッフ氏は「これはソフトウエアにも当てはまる。日本は将来、航空機のパーツをアップグレードが必要になったとき、そのアップグレードが米国の部品やソフトウエアと互換性が確かにあるか米国に確認しなければならず、単独ではアップグレードできなくなることに懸念を示している。米国は日本と技術を共有しないだろうから、ここが双方の交渉が必要な微妙なラインになる」とみている。
同氏は「F2後継機調達が米国と日本にとって、日本の予算の一部と米国の能力を組み合わせて活用することで同盟の資産を開発する大きなチャンスになるかもしれない」という見方を変えていない。半面、安全保障上の関係における気質の差違を懸念する、この2国間同盟の緊張を高める政治問題にも発展しかねない。
「このプロジェクトでは、同盟の協力の将来をめぐって多くが境界線上にあり…いずれさまざまな他の技術にも適用されるかもしれない」とスコッフ氏は警告する。