相互運用可能機を
米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所の特別研究員であるザック・クーパー氏は「F2後継機として、どの航空機が調達されることになっても、三菱重工業が大きく関与することになるだろう」とみている。
三菱重工にはF2開発を含む航空宇宙事業の経験があるからだ。また、日本には同社以外に最新式航空機システムの生産経験を十分備えた企業がほとんどないためでもある。
三菱重工の広報担当者、ダニエル・ネストル氏は、同社が日本の防衛省との契約下で開発した技術でF2後継計画に貢献することを望んでいる、と話す。こうした技術として、航空機サブシステムの統合、機体内部に設けられる爆弾槽技術、窒素ガリウムベースの射撃統制レーダー技術、締結部品を不要にする統合型接着複合体構造技術などが挙げられる。三菱重工はまた、データリンクを使用した、友軍戦闘機間の連携空戦を容易にする「クラウド射撃」技術への貢献も望んでいる。
戦闘攻撃機「F/A18(愛称・スーパーホーネット)」や戦闘機「F15(イーグル)」群を開発したボーイングは、この次の戦闘機計画に関する日本との協力に関心があることを認めている。
広報担当者のアンドレア・ピーターソン氏は「日本の産業とボーイングが提供すべき最高のものに基づいた、日本主導の次世代戦闘機を提供する」意向を示している。
米空軍は「日本は自身のプラットフォーム間で相互運用可能な航空機を開発すべきだ」と提言している。米太平洋空軍のブラウン司令官も米空軍協会のイベントで、「日本の新たな戦闘機は航空自衛隊の他の装備と相互運用が可能であるべきだ」と話している。「閉鎖的なシステムであれば、米国との共同作戦行動は難しくなるだろう」と同氏は述べている。
日本がF2後継機の計画をどのように前進させるか予測するのは難しいが、日本主導のプラットフォームに傾きつつあるようだ。中期防衛力整備計画(中期防、19~23年度)は日本に、国際協力の可能性も含みつつ、開発プロジェクトを早期に主導することを求めている。20年後半の生産開始を望むなら、日本は迅速に行動せねばならない。=おわり(軍事アナリスト、パット・ホスト)
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