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破格のドコモ「アハモ」が“台風の目”に 大手3社の料金横並びは崩れるのか (2/3ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 “高止まり”していた携帯料金

 きっかけは2018年8月、菅義偉首相から飛び出した発言だった。「あまりにも不透明で、他国と比較して高すぎるのではという懸念がある。4割程度下げる余地はある」。当時官房長官だった菅氏は札幌市内で開かれた講演会で、携帯料金の引き下げにこう意欲を示すと、値下げに向けた取り組みが一気に動き出した。

 昨年10月に施行された改正電気通信事業法で通信料金と端末代金の分離を義務化。スマートフォン端末を安売りして割高に設定した通信料で回収するという料金体系を改め、価格による競争を促進した。今年9月に菅内閣が誕生すると、その動きはさらに加速。武田総務相は着任早々、携帯料金値下げについて「100パーセントやる」と断言し、幅広い意見を聞くとして携帯電話事業者の代表らと積極的に意見交換をする一方、大手キャリア各社に対し圧力を強めてきた。

 実際、日本の携帯料金は世界的に見ても高水準にある。総務省が6月に発表した調査結果では、世界主要6都市のデータ容量20GBプランの料金を比較した場合、物価の高いニューヨークやパリを抑え、東京が8175円で1位(2019年)になっている。2GBと5GBのプランでは2位だが、パリやロンドンと比較すると2倍以上の価格だ。

 なぜ日本の携帯電話料金は高いのか。

 「日本の携帯電話サービスは世界でもトップクラスで質が高いため、(基地局の建設など)設備投資にコストがかかる。料金はソフトバンク参入時に少し値下げが起こった程度で、その後は大手3社のうち1社が改正すると他の2社もそこに合わせてしまうため、価格競争が起こりにくかった」

 ただ、料金の高止まりの背景には、日本のユーザー意識も影響しているという。三上氏は「本来、そこそこ安心して安く使いたいという人は割安のサブブランドを使い、多少のデメリットはあっても格安で使いたい人はMVNO(格安スマートフォンを手がける仮想移動体通信事業者)を使えば良いが、日本のユーザーは安心を求める人が多くメインブランドから移行しにくい。意識が安さに向いている人が比較的少ないことも要因だろう」と分析。ヨーロッパでは、安い料金設定の事業者にユーザーが移行するため価格競争が起こったが、日本ではインフラである通信に対する“安心”も強く求められ、結果的に料金の高止まりを招いたようだ。

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