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動画配信市場で存在感増す「TVer」 テレビの力で海外勢力の牙城は崩せるのか (2/2ページ)

 広告の最適化にも寄与

 TVerの好調を支えているのが、インターネット回線に接続された「コネクテッドTV」だ。パソコンやスマホではなく、テレビ画面で視聴するユーザーが増えているという。「コネクテッドTVで視聴する人は当初5%にも満たなかったが、昨年2月には7%と漸増。コロナ禍で需要が一気に拡大し、今年2月には全体の23%を占めるまでに伸長した。すでにパソコンを上回り、スマホに次ぐデバイスとなっている。

 サイバー・コミュニケーションズのレポートによると、テレビのネット接続率は2020年6月時点で50%を超えた。若年層だけでなく、中年層の視聴者も増加しており、国内のコネクテッドTV広告の市場規模は、2024年に558億円に成長すると予測されている。古田部長は「スマホは1人ですが、コネクテッドTVなら親子、家族が一緒に視聴できます。広告目線でも注目していて、視聴者の属性を把握し、ターゲティングに力を入れていきたいと思っています」と話す。視聴者の性別、年齢、居住地の精度は約94%。コンテンツによるターゲティングで広告主のニーズに合わせた商品開発を進める方針だ。

 見逃し番組を無料で配信するTVer。その仕組みが今、番組の認知度向上や、テレビ視聴者のつなぎ留めに一役買っていることは間違いない。それだけでなく、ネットの違法動画対策にもつながっているようだ。古田部長は「動画投稿サイトに(番組を録画した動画が)違法アップロードされると、制作者や出演者、脚本家らに対して権利配分されないという問題が生じます。一方、TVerで配信されているコンテンツはすべて放送基準に照らし合わせて制作されたコンテンツで、権利処理もされています。ブランドセーフティーの観点からも、広告出稿していただく媒体として優良であると自負しています」と強調する。

 ただ、権利処理の都合や各局の方針で配信される対象番組は限られており、配信されるのはドラマやバラエティーがほとんど。古田部長は「各系列局に『これは』という番組を提供してもらって、サービスを拡充させたい」と意気込む。

 アマゾンやネットフリックスといった海外勢が日本の動画配信市場に参入し、まさに群雄割拠の様相を呈している。“黒船”に対抗するためにも、日本の放送界が手を携えるTVerのさらなる成長には、在京、在阪キー局だけでなく、系列局も含めたコンテンツの拡充がカギを握っているといえそうだ。

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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