今日から! 食品ロス削減へ

コンポストに事業ごみ…身近な場所で食品ロス改革 (3/3ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 「コーヒー豆カスは、そのままでは肥料にならないそうですが、金澤バイオ研究所が開発した『HT菌』をはじめ、米ぬか、かき殻、大豆おから、茸菌床、竹パウダー、ビール麦芽粕、草などを混ぜることによって肥料にすることができたのです」

 HT菌(=Hyper Thermophilic Bacteria)とは、高熱にも耐える細菌の働きにより、約90度の熱で原料を発酵させる金澤バイオ研究所独自の手法である。病原菌や雑草の種子が死滅するので安全な堆肥になり、完熟しているので匂いも気にならないという。

 「試作を始めてから3年かかりましたが、2018年10月に約6トンを製造し、『マヌア肥料』の名で販売したところ、完売するほどの人気になったのです。おかげで以前は年間約4トンも捨てていたコーヒー豆カスは、今ではすべて再利用しており、コーヒー豆カスの廃棄を限りなくゼロに近づけることができました」

 このマヌア肥料は人気が広がり、一般家庭だけでなく、今は農園からも注文が来るようになっている。また、店鋪でも肥料の効果を検証してみるため、昨年から農地を借りて野菜を栽培。できた野菜は店頭で販売しており、とても好評だという。

 「福岡市喫茶業組合の平田さんから、ローカルフードサイクリングのたいらさんをご紹介いただきました。コーヒー豆カスを基材にして、自社でも堆肥が作れないかと実験しているところです」

 マヌコーヒー同様にコーヒー豆カスを堆肥として再利用するカフェは、日本中に増えつつある。今後の取り組みに期待したいところだ。

 環境省が今年3月に発表した調査結果によると、廃棄物全体の処分コストは年間2兆円を超えている。費用は言うまでもなく私たちの税金で賄われている。食品廃棄を減らしていくことは、環境面だけでなく経済効果も大きい。食品廃棄を減らす第一歩は、身のまわりの小さなムダを見直していくことではないだろうか。皆さんもぜひ取り組んでみてほしい。(吉田由紀子/5時から作家塾(R)

5時から作家塾(R)
5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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