今日から! 食品ロス削減へ

コンポストに事業ごみ…身近な場所で食品ロス改革 (2/3ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 使い方は簡単だ。前日に出た生ごみ(400グラム程度)をバッグに入れ、少しかき混ぜてファスナーを締める。1分もあればできる簡単な作業だ。その後、3週間ぐらい寝かせて熟成させると堆肥ができあがる。早く分解できる基材を使っているため、堆肥ができるまでの期間が短いのが特徴で、従来のバケツ式コンポストに比べて、分解速度は21倍にもなるという。

 また、購入者へのサポートも充実している。使用時に困ったことがあれば、コンポストの専門家にLINEで気軽に質問することができる。

 「今は生活の場が自然と分断されており、農作物がどこで栽培され、どうやって家庭に届くのか。その流れが分かりにくい社会になっています。結果、食べ物のありがたみを実感できないようになり、簡単に捨ててしまうのだと思います。少し前までは生ごみを堆肥や飼料にして循環させていました。その良き慣習を現代に再構築していきたい。地域で完結する『半径2km圏内の栄養循環』を作りたいと考えています」

 年間約4トンのコーヒー豆のカスが再利用でほぼゼロに

 家庭ごみ以上に問題になっているのが、外食産業などから排出される事業系のごみである。未使用の食品も含め大量のごみを排出しており、環境への負荷が問題視されている。大規模の飲食チェーンでは、生ごみをメタン発酵させてバイオマス発電を行う企業が、少しずつではあるが増えている。一方、小規模店では、コストと手間がかかるため、ごみとして回収してもらうしかない状態だ。

 しかし、中には知恵を絞って事業ごみを大きく削減した店もある。

 福岡市に3つの店舗を持つ「マヌコーヒー」ではコーヒーを淹れた後の豆カスを堆肥に変えて再利用している。以前は、年間に約4トンもの豆カスを事業ごみとして排出しており、多大なコストがかかっていた。そのため、この問題をなんとかしたいと苦慮していたのである。

 「以前から店で使う紙コップやプラスチックカップ、ストローなどは業者に回収してもらい、リサイクルしていました。しかし、コーヒーを淹れる際に必ず出る豆カス、焙煎後に出るチャフ(薄皮)の処理は私たちの長年の課題でした。なんとか再利用できないかと、店頭に使用後のコーヒー豆を置いて、お客さんに自由に持ち帰ってもらうようにしたのですが、残念ながら反応は薄かったのです。そんな折、ある人が『困っているんですか?』と声をかけてくれました。聞けばその人は、土壌研究で有名な研究所の方だったのです」(社長の福田雅守さん、中澤豪助さん、以下同)

 それは、東京大学、鹿児島大学を経て九州大学大学院(農学部)教授などを務めた金澤晋二郎所長が運営する金澤バイオ研究所だった。金澤さんは土壌微生物学の分野では第一人者である。同所は多彩な研究を行っているが、中でも独自の技術で肥料を作り出すことでは、高い技術力を持っていた。マヌコーヒーは、この研究所と連携をしてコーヒー豆カスの再利用に取り組んでいく。

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