パリ協定署名、発効確実に 160カ国以上参加 日本の対策急務
国連は22日、米ニューヨークで地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の署名式を開催。160カ国以上の代表が参加して、国際協定の署名開始日に調印する国の数では過去最多になる。温室効果ガスの2大排出国である米国と中国が年内に批准する方針を表明したことから協定の発効は確実な情勢で、日本も国内対策の加速を求められそうだ。
署名はパリ協定の内容に賛同し、今後、議会など国内の承認手続きを経て正式に批准する意思があることを示す手続き。日本は熊本地震の対応で閣僚ら政務三役が参加できず、吉川元偉(もとひで)国連大使が署名する。
パリ協定の規定では、発効のため少なくとも55カ国が批准し、排出量の合計が世界全体の55%に達する必要がある。丸川珠代環境相は同日の記者会見で「(5月の)先進7カ国(G7)環境相会合などの機会を利用して早期発効を呼び掛けたい」との意向を示した。
排出量の計38%を占める米中両国は3月の首脳会談で、年内に国内手続きを終える方針を表明。また、3.8%の日本も来年の通常国会で議論が進む見通しだ。加えて、署名式に世界196カ国・地域の大半が参加することから、「発効はほぼ間違いない」(環境団体関係者)との見方が強い。
一方、協定の発効後、各国は削減目標を5年ごとに見直すよう求められる。2020年末に開かれる気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の9~12カ月前に新たな目標を提出する規定のため「18年には議論を始めないと間に合わない」(環境省幹部)という。
日本の現行目標は「30年度に13年度比26%減」。また、政府が3月にまとめた新しい地球温暖化対策計画には「50年に80%減」という長期目標も併記されており、見直し時には2つの目標の整合性が焦点になる。
ただ、80%削減には年間43兆~72兆円の削減費用が必要との試算もあり、「環境技術の飛躍的な進歩がなければ実現は不可能」(経済産業省幹部)とされる。
政府は2年後に迫った見直し協議で、経済への打撃を抑えるため現実的な目標をつくれるかが問われる。
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