インターネット上で交流する「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」を悪用し、競馬予想や株式投資のパソコンソフトを売りつけるマルチ商法が拡大している。全国から国民生活センターに寄せられた被害相談のうち、9割が20代の男女。専門家は「SNSで友達のふりをして近づき、脇の甘さにつけ込んで不当な購入契約を結ばせている」と若者に警戒を呼びかけている。
消費者金融で借金
「SNSで知り合った人に勧められ、99万円の競馬予想ソフトを買ったが、もうからない」
近畿地方の20代の女性は9月、同センターにこんな苦情を訴えた。ソフトは勝ち馬を予想したり馬券の組み合わせを指南したりするもの。ソフトの指示通り馬券を買って当たることもあったが、とても元は取れない。
20代男性はSNSで男から「友達になりませんか」と誘われ、居酒屋などで食事。その場に男の友人などと称する人物が現れ、もうけ話を始めた。この「友人」は、競馬投資ソフトで大もうけしたという設定。男も相づちを打つなど断りにくい雰囲気を作り、最終的に購入契約を結ばされ、消費者金融などで借金させられたという。