巧みな現首相
野党優勢の情報は投票日当日、即日開票された会場からも流れた。だが、野党は勝利宣言までしたものの、フン・セン首相の硬軟使い分けての巧みな自己演出と、野党党首の渡米で勢いがそがれた。
各地で野党大躍進が伝えられた投開票日の夜から、フン・セン首相は3日間、公の場に姿を見せなかった。国外亡命説も出たほどの沈黙を貫き、ようやく国民の前に姿を見せた7月31日夕方には、野党に対し「与野党協議で解決を」と柔軟姿勢で呼びかけた。そして強硬だった野党が話し合いに応じる意思を示したとたん、今度は首都郊外に装甲車などを配備し、大規模デモを示唆する野党に対し、力には力でこたえる強硬姿勢を見せた。
与野党の攻防が続く8月上旬、今度は野党のサム・レンシー党首が「家族の結婚式のため」として約1週間渡米。野党支持者の中には「なぜ、この時期に私用で渡米するのか分からない」と力を落とす人もおり、熱が冷めかけたようにも見える。