「遷御の儀」を迎えた今年、空前の参拝ブームで沸くおはらい町=9月24日、三重県伊勢市(田村慶子撮影)【拡大】
20年に一度の式年遷宮で沸く三重県伊勢市。クライマックスの「遷(せん)御(ぎょ)」を迎えた今年、伊勢神宮の参拝者は過去最多の1千万人を超えた。1300年以上前から続く遷宮に合わせ、20年に一度のペースで確実に地元を潤す“遷宮景気”は、バブル崩壊やリーマンショックにも負けてはいない。とりわけ今回は、アベノミクスによる景気回復にパワースポットブームも後押しした効果もあり、民間シンクタンクの試算によると、地元・三重県の経済効果は2400億円を超えるという。
1年で5年分の稼ぎ
まだ夏日のような日差しが残る9月下旬。平日にもかかわらず、伊勢神宮内宮の門前町にある「おかげ横丁」は、ツアーの団体客らでごった返していた。中高年が中心だが、若いカップルも多い。まるで大都市の繁華街を思わせるにぎわいだ。
10月12日、伊勢神宮の参拝者は明治29年の調査開始以来最多となる1千万人を突破した。阪急交通社によると、伊勢神宮参拝を盛り込んだ東海方面のツアーの10月の予約人数は、前年同月の4・1倍にまで増えたという。