「遷御の儀」を迎えた今年、空前の参拝ブームで沸くおはらい町=9月24日、三重県伊勢市(田村慶子撮影)【拡大】
昨年4月には、伊勢神宮の外宮敷地内に神宮の歴史などを展示、紹介する「せんぐう館」がオープン。今年はJR東海や近畿日本鉄道が、臨時急行や特急観光列車を導入するなどアクセスも向上した。
開発の効果は、神宮の周辺にも及んでいる。4年7月に開業した近鉄不動産の「海辺ホテルプライムリゾート賢島」(志摩市)は伊勢市から電車で約1時間と神宮からは少々遠いにもかかわらず、今年の宿泊客は前年同期より2割増。「式年遷宮が全国的に注目され、首都圏の来客数は昨年の2倍以上に急増している」(同ホテル広報)という。
9月に発表された基準地価も、遷宮の経済効果を物語る。地方圏の多くが地価を落としたなか、伊勢市では同市宇治浦田の商業地が前年比6・3%上昇し、東海4県で最高の上昇率を記録した。
遷宮効果のもう一つの特徴は、こうした経済効果が遷宮後もしばらく続くということだ。民間シンクタンクの百五経済研究所(津市)の試算では、式年遷宮に伴う三重県の経済効果は2416億円。この効果が次の遷宮に向けた足がかりとなり、また次の「遷宮開発」につながっていく。
国の文化、伝統で沸く三重県の姿は、活性化の糸口を探す多くの地方にとってヒントになりそうだ。(田村慶子)