「遷御の儀」を迎えた今年、空前の参拝ブームで沸くおはらい町=9月24日、三重県伊勢市(田村慶子撮影)【拡大】
今から20年前-。日本全土でバブル経済が弾け、大都市圏を中心に経済は失墜した。だが、三重県だけは数々の開発が、式年遷宮に向けて着々と進められていた。平成5年には伊勢自動車道が全線開通し、近鉄志摩線の複線化など、大規模な鉄道改良工事を実施。翌6年には、志摩市でテーマパーク「志摩スペイン村」も開業した。
“遷宮景気”は地価にも及んだ。平成5年の基準地価は、大阪圏が21・4%、東京圏も20・5%下落。全国平均も7・7%下落と、日本全土が下落傾向の中、三重県は2・6%の下落にとどまった。バブルの影響がなかったとまではいえないが、当時の日本経済の状況下では「極めて浅い傷」であり、遷宮がもたらす効果の大きさが浮き彫りになっている。
広がり、続く遷宮効果
アベノミクス効果で景気が上向き始めた今年。もちろん、遷宮に合わせた開発も快調だった。