同研究所の竹林洋史准教授(河川工学)は「表層崩壊の発生後も、1時間当たり100ミリを超える豪雨が続き、土砂が少ない水流が発生し斜面を下ったのではないか」と推測する。
土石流の後、豪雨で洪水のような激流が到来。倒木やがれきはこれに乗って流され、家屋を破壊して被害を拡大したとみられる。
他の火山でも警戒
地質が同じ場所はほかにもあるのに、土石流はなぜ元町地区に集中したのか。森林総研の落合博貴企画部長(治山工学)は「三原山の西側は東側より傾斜が急ということもあるが、局地的な雨量の差が主な要因だろう」と話す。
同地区は1時間当たりの降水量が観測史上最大の122・5ミリに達し、24時間雨量も824ミリを記録。一方、約4キロ北の大島空港付近では降水量が約半分にとどまり、土石流は発生しなかった。
1時間に100ミリを超える豪雨は、日本では10年前まではめったになかったが、ここ数年は地球温暖化を背景に局地的な豪雨が頻発している。
溶岩の地盤に火山灰が堆積した地質構造は、火山であれば基本的に同じで、今回のような災害はどこの火山でも起きる可能性がある。落合氏は「豪雨が予想された場合、火山周辺の住民はいち早く避難を検討する必要がある」と警鐘を鳴らしている。