石原氏は「これで地区のみなさんにも良い報告ができる。国もこの決定を尊重せざるを得ないでしょう。当面は安心できます」と胸をなでおろした。
小長井町漁協(諫早市)の新宮隆喜組合長(71)も開門差し止めを喜ぶ。開門すれば名産品の養殖カキへの悪影響が懸念されるからだ。「開門して被害が出るのは明らかなのに『とりあえず開けて様子を見ましょう』などという高裁判決はとんでもない。今回の決定でやっと思いが通じた。これをきっかけに全国の大勢の人にこの問題の本質を理解してもらえれば」と語った。
一方、開門を求めてきた漁業者ら約40人は長崎市内のホールに集まった。馬奈木昭雄弁護団長は「考えられる限りで最悪の結果だ。必ず(堤防を)こじ開けてみせる」と語ったが、多くの漁業者は押し黙った。
佐賀県太良町の漁業、平方宣清さん(60)は「開門しようとする積極的な姿勢が国にないことが影響した。徹底して抗議したい」と語った。