影響改めて否定
社内調査結果には、昨秋の国会で問題視された労組に関する検証や記述は見当たらない。
野島誠社長らが参考人招致された集中審議では、4つある労組のうち、約8割を占めるJR北海道労組への遠慮やなれ合いが問題の背景にあるとの疑いが指摘されたが、野島社長はそうした見方を否定。21日の会見でも「一連の事象に対して(労組が)影響しているとは考えていない」と改めて否定した。
一方、データ改竄をめぐっては、一部の労組から平成3年と10年の2度の労使交渉で、改竄が横行しているとの訴えが寄せられた。しかし会社側は「事実確認ができない」と回答し、訴えが生かされることはなかった。
労組関係者は「会社側は人員削減に協力した主要労組には干渉せず良好な関係を保ってきた」と指摘。その上で「労使関係については鉄道利用者の関心も高いだけに、しっかり検証すべきだった」と不満を口にした。
経営陣の行方は
経営陣の行方も不透明感を増している。太田昭宏国土交通相は21日の会見で「現経営陣の責任は重いが、改善命令や監督命令を全力で推進するのが望ましい」と続投を事実上容認した。後任人材が見つからないほか、経営に影響力がある坂本真一相談役が15日に自殺とみられる遺体で見つかったことも、経営陣の入れ替えに躊躇(ちゅうちょ)する要因になったとみられる。
しかし政府内には「労組とのしがらみのない外部人材を起用すべきだ」との意見は根強い。JR北海道の株式は独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が全て保有しており、政府による経営への関与は可能。代表権を持つ役員人事は閣議口頭了解を経て決まることになっており、今後は政府主導による経営陣の刷新が行われるとの観測もある。
経営面でも年300億円に上る赤字の解消は手つかずのままで、JR会社法に基づき経営体制を改善させる初の監督命令や経費がかかる事業改善命令などを不安視する向きは少なくない。