【石油危機の教訓】(上)電力供給に厳しい現実 (1/3ページ)

2014.2.5 05:00

関西電力海南火力発電所の設備をチェックする作業員=1月20日、和歌山県海南市

関西電力海南火力発電所の設備をチェックする作業員=1月20日、和歌山県海南市【拡大】

 ■原発代替の火力も老朽設備で悲鳴

 キンコン、キンコン…。暮れも押し詰まった昨年12月29日午前2時すぎ。関西電力の海南火力発電所(和歌山県、出力計210万キロワット)の中央制御室で鋭い警報音が鳴り響いた。

 3号機(60万キロワット)のボイラー配管の圧力調整弁の異常を知らせるサインだ。駆けつけた作業員が弁の蒸気漏れを発見し、運転を緊急停止した。

 幸い、管内の大半の工場は年末休業に入っており、電力が不足する事態は回避できた。突貫工事で修理にあたり、大みそかの午後6時すぎには発電できるようになった。海南発電所の釜谷文博・計画課長は「年が明けても発電できなければ、どうなっていたか」と厳しい表情を浮かべた。

 東京電力福島第1原発事故の後、国内の原発は相次いで運転を停止し、現在は稼働ゼロだ。これを補っているのが火力発電だ。ただ、全国に約300ある火力発電所のうち、運転開始から40年を超えた古い設備が全体の2割を占める。定期検査を特例的に先送りし、何とかつじつまを合わせているのが実態だ。

 故障が起きた海南発電所は、1970年代に稼働を始めた典型的な老朽火力だ。エネルギー効率の悪い石油火力で、1~4号機がフル稼働すると、1時間に使用する石油は約500キロリットルと10時間でタンカー1隻分を使い果たしてしまう。3号機に隣接する2号機は老朽化で2001年に運転を止めたが、関電は原発の稼働停止で一昨年夏に運転を再開させざるを得なかった。

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