国難事態に防災産業で立ち向かおう(第1回) (1/3ページ)

2014.2.18 05:00

 首都直下地震や南海トラフ巨大地震が起きると、日本は「国難的な事態」に陥る、と危惧されている。

 首都直下地震はM7級で4年以内に50%以下(東大地震研)、5年以内に28%(京大防災研)の確率で起き、M7.3級で死者2.3万人、被害総額95兆円(中央防災会議)が想定されている。必ずしも適正な表現ではないが、ロシアンルーレットにたとえれば、「弾10発のうち3~5発当たる」という確率で起き、最大被害も日本GDPの2割強と巨大化する、といえば実感がわくだろう。また、南海トラフ巨大地震はM8~9級で10年以内に20%(地震調査委員会)の確率で起き、死者32万人、被害総額220兆円が想定されている。

 これらの巨大地震が起きると、人口密集地域の広域大都市圏で市民が住宅損壊、火災延焼、人命損傷といった甚大な被害を受ける。さらに重要なことは、日本の経済中枢圏域で産業設備が広範囲で破壊されて、日本経済の基盤である生産・物流・商流の機能が大きく喪失されることである。都市郊外では工場や物流センターや港湾設備が、市街地では高層オフィスビルや商業施設が破壊され、データセンターや情報通信設備も広域的に損傷を受け、経営管理者・社員の人命も被害を受ける。日本経済の中枢が「致命的な打撃」を受け、日本が「国難的な事態」に直面する可能性があることを厳しく認識しなければならない。

 巨大地震の想定被害に加えて、「地球温暖化災害」が深刻化し、異常気象による豪雨・洪水・土砂災害・竜巻などの被害がもたらされている。2010年代後半以降には、異常気象が今後も激化して被害がさらに拡大すると見られ、英国財務省諮問報告の”Stern Review”によれば、世界GDPの1~5%、最悪20%の経済被害が「恒常的」に生じると予測されている。日本では、気温が1℃上昇すると年間11兆円(環境省)の被害が生じるとの予測もある。

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