ここに石油危機、財政危機などの「経済金融災害」が起きたら、日本は「複合リスク」でますます危機的な事態に陥る。世界の複数の研究機関は2010年代後半に石油生産がピークを過ぎ石油不足と油価高騰が起きると警告している。特に石油最大消費組織である米国・英国・ドイツの軍部は2015年に世界需要日量9000万バレルに対して供給量が1000万バレル、11%不足する「石油危機」が起きることを危惧している。石油輸入依存度が高く、すでに円安傾向にある日本は石油調達費用が急増し油価が高騰して大変だ。さらに、財務省は消費税率を引き上げても財政基礎収支の赤字を解消できないと算定しており、国内の複数の研究機関は2010年代後半には家計貯蓄(預貯金)が減少し、経常収支が赤字化して国債引き受けの原資が不足すると予測している。金融筋では、国債金利上昇、国債価格下落、日銀・銀行の資産毀損、政府の財政破綻の可能性を警戒する見解が年々増えている。
こうした経済環境の下で巨大地震が起きると、日本経済は「複合リスク」に襲われて「国難」事態に陥る。生産・物流・商流設備が広く破壊され、老朽化した社会資本も破壊され、巨額な復興資金が必要になる。しかし、被災地の市民は住宅損壊や財産喪失で疲弊し、企業も「事業継続」が危機的な事態に陥り、市民も企業も担税能力が落ち、税収不足や国債発行難で日本の財政は破綻する可能性がある。そうなると、「復興財源」はどこからも捻出できなく、国・自治体ともに「税収なき復興」を、また国民や企業は「資金援助なき復興」を迫られるといった、太平洋戦争時にも匹敵する「未曽有の国難」に直面することになる。