津波襲来時には、計器類の警報音が鳴り響くなか、次々と照明が消えていったという。今回の公開ではその状況を再現するため、5秒間だけ照明を消した。一瞬にして真っ暗に。目の前にいた別の記者の背中も見えない。津波の襲来と制御できなくなった原発、そして暗闇。恐怖感はいかばかりだったかと感じた。
かつての修羅場と違い、今は静寂の中にある制御室。そのなかで唯一、事故を物語る証拠が計器盤に書かれていた。
《16:40 マイナス90センチ》《16:50 マイナス120センチ》《16:55 マイナス130センチ》
運転員が暗闇のなかで懐中電灯だけを頼りに原子炉の水位を記録したものだ。別の水位計の隣には3月11日夜から翌未明にかけ、水位が上昇していることを示す走り書きが計器盤に残されていた。