笹井氏「私の研究室のやり方ではノートはもっと増えたと思う。ただ、データを(ノートに記さずに)コンピューターに入れているとすれば、アナログのノートの数は減ることになる。4、5冊という数と、実際の研究の因果関係についてコメントするのは難しい」
--ノートを見たのか
笹井氏「(問題発覚後、調査委から)ノートの一部のコピーを見せてもらった。非常に詳細に書かれている部分もあった」
《笹井氏は落ち着いた様子で質問に淡々と答えていく。そして、質疑はSTAP細胞研究をめぐる笹井氏自身の立場に迫っていく。笹井氏自身も加わったSTAP細胞研究。笹井氏はその研究を「組み上げ細工」と表現した》
--STAP現象は存在しているとの考えか
笹井氏「もしも存在しないと思っていれば、共著者には加わっていない」
--それは今もか
笹井氏「(STAP細胞研究は)組み上げ細工のいくつかの部品にひびが入ってしまっている。戻して検証し直す必要がある。そうするだけの価値がある結論なので、信じる、信じないとの結論で言うべきではない、というのが科学者としての立場です」
《高度に精密な分野を研究する科学者だからだろうか、言葉を一つ一つ慎重に選ぶ笹井氏。「つまりどうなのか」と記者が再び笹井氏の立場を確認する》