兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲撃され、記者2人が殺傷された事件から27年になる3日、亡くなった小尻知博記者=当時(29)=の遺影を掲げた礼拝所が支局1階に設けられ、市民らが花を手向けて冥福を祈った。
小尻記者が着ていた上着や、座っていたソファを展示する支局3階も公開され、訪れた人は熱心に眺めていた。西宮市与古道町の居酒屋経営、藤井金三さん(60)は「小尻記者は生前、店によく来てくれた。遺影のように穏やかな方だった。毎年手を合わせに来ているが、無念としか言いようがない」と話した。
朝日新聞幹部は同日、小尻記者の郷里、広島県呉市川尻町の墓を訪れ、花を手向けて手を合わせた。
事件は未解決のまま平成14年に公訴時効が成立した。