「美味しんぼ」に描かれた原因不明の鼻血のシーン。鼻血の原因は被曝とは限らない【拡大】
影響小さい低線量
漫画ではまた、低線量被曝の健康影響を心配し、前双葉町長の「今の福島に住んではいけない」との言葉を紹介している。福島に住んでいる人や福島への旅行を計画している人の中には不安に思った人がいるかもしれない。
ただ、100ミリシーベルト以下の低線量被曝の健康への影響については100年近くも研究されており、極めて小さいことが分かっている。現在、福島県で暮らす人々が原発事故によって余分に受ける放射線量は年間1ミリシーベルト程度で、健康への影響が心配される数値ではない。
リスクコミュニケーション(リスコミ)を研究する「リテラジャパン」代表で、原発事故後、飯舘村のアドバイザーを務めた西沢真理子さんは「事故後、リスクを正確に伝えるリスコミが適切になされなかったことで、放射線のリスクを正しく認識できない人が今も多いのは残念」と指摘。そのうえで、「放射線に発がん性があるのは確かだが、健康への影響は量で考える必要がある。低線量被曝の場合、喫煙や野菜不足よりもがんになるリスクが低く、現在の福島が心配されるような状況ではないことを理解してほしい」と話している。