さらに理研が6月末、新たな疑義に対する予備調査を開始したことも影響したようだ。調査対象について理研は明らかにしていないが、笹井氏に対して事情聴取が行われたのは確実だ。加賀屋氏も「応じていたかもしれない」と事実上、認めた。
こうした影響で笹井氏の体調は最近、さらに悪化したとみられ、関係者は「薬の副作用なのか、はっきりと言葉をしゃべれない状態だった」と明かす。また、「自分の研究室がなくなるかもしれない」と漏らし、研究員に対して就職活動を勧めていたという。
5日は理研がSTAP細胞の検証実験の中間報告について、発表日を公表する予定だった。そのため「細胞の存在を否定する結果が出て悲観したのではないか」との観測も出ている。だが加賀屋氏は「笹井氏はノータッチで、進捗(しんちょく)状況は耳に入っていないと思う。自殺との関連に思い当たる節はない」と否定した。