第96回全国高校野球決勝で三重を破り優勝を決め胴上げされる西谷浩一・大阪桐蔭監督=8月25日、甲子園球場【拡大】
第10条。選手および部員は、職業野球に所属する選手、監督、コーチ、審判員その他直接に職業野球の試合もしくは練習に関与している者または関与したことがある者と試合もしくは練習を行い、またはこれらの者からコーチもしくは審判を受けることができない。ただし、日本学生野球協会審査室において適性を認定された者については、この限りではない。
この規定により、高野連に加盟する高校の野球部員は、日本学生野球協会審査室に認定されていないプロ野球関係者から指導を受けると警告、謹慎、出場禁止または除名の処置を受ける可能性があったのである。
規定が制定されたのは1932年に文部省が発令した通称「野球統制令」にさかのぼる。野球統制令は戦後廃止され、民間自治を目指して46年12月に日本学生野球協会が設立。同時に野球憲章の前身「学生野球基準要綱」が制定された。この要綱は、50年に「日本学生野球憲章」と改正されたが、「アマチュアリズムの理念」などへの固執もあって、プロ野球との交流を極度に制限する規定が残った。
◆柳川事件で関係断絶
この規定を厳格に運用し、元プロ野球関係者を学生野球の指導者から閉め出したのは、61年に社会人野球とプロ野球との間で起こった「柳川事件」に始まるプロ・アマの関係断絶であった。社会人側はプロ野球界との関係断絶を宣言し、元プロ野球関係者の受け入れを拒否。この動きに学生野球界も同調した。